今後は下記のページで小児脳神経外科疾患関連の記事を掲載することと致しました。
機会がございましたら、覗いてみてください。
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小児脳神経外科で扱う疾患を中心に情報を発信します。こども達が、”その子らしく” 輝くために、”その子のために” 大人は何が出来るのか、 そんなことを考えるための情報を提供したいと思います。
7/11/2014
12/25/2012
頭蓋骨発生 その3
ヒトの頭蓋底では、胎生1~2ヶ月までに頭蓋底を構成する骨群の前駆体して
①前脊軟骨(prechordal
plate)
②下垂体軟骨(hypophyseal
plate)
③傍索軟骨(parachordal
plate)
の3種の軟骨小塊が生じる。これら軟骨のうち、①②は主に神経堤由来細胞から、③は第一頸部体節椎体由来の細胞から発生する。その後、各軟骨塊は互いに融合して一塊の軟骨板となり大後頭孔から眼窩鼻腔まで拡がりつつ、脳を下方から支持するようになる。やがて軟骨板に複数の骨化中心が独立して出現し、次第に骨組織に置換されていくが、それぞれの骨組織の間には軟骨組織が残存した軟骨結合が見られる。
ヒトでもマウスでも軟骨結合は基本的に、増殖軟骨細胞層、前肥大軟骨細胞層、及び肥大軟骨細胞層から構成さてる鏡像対象的な2つの成長板が中央部の静止軟骨細胞層を介して存在する。この軟骨結合は、蝶形篩骨軟骨結合、蝶形骨間軟膜結合、蝶形後頭軟膜結合および後頭骨間軟膜結合として存在し、それぞれが骨への成長を司るが、軟膜結合の骨化時期はそれぞれ部位特異性であり、例えばヒトの場合、蝶形骨間軟骨結合は生後まもなく骨に置換されるが、蝶形後頭軟骨結合は10歳後半まで存在し、頭蓋底の前後方向に沿った成長時期に関与する。
一方、頭蓋底の前方は顔面中央部と連続しているために、その形成並びに機能不全は顔面骨格の成長に大きな影響を与える。
軟骨性骨原基は既に出現している脳神経や主要血管の周囲に位置し、軟骨性骨形成を行われる⇨脳神経、血管は孔を通して頭蓋外へ通じる
魚類、両生類、爬虫類は生存している限り頭蓋の成長は続くが、哺乳類では性成熟の時期に終了する
12/19/2012
頭蓋骨の発生 その2
②頭蓋骨の大部分は、神経外胚葉に起源する神経堤細胞により形成される
ⅰ)頭蓋骨の原基は胎芽期はじめに間葉細胞の濃縮により形成される
ⅱ)頭蓋骨の原基は、頭部間葉、後頭体節椎板、鰓弓中胚葉、頭部脊索の4つの部分から起こり、その後欠く骨化中心の出現とその癒合が出生後にわたって行われる
③顔面及び顔面骨
ⅰ)ヒトの顔面は、胎生4-10週に原始口窩の周りの5つの顔面隆起、すなわち無対の前頭鼻隆起、1対の上顎隆起、及び1対の下顎隆起の癒合により形成される
ⓐ上顎隆起は第一鰓弓の背側を、下顎隆起は第一鰓弓の腹側を占めそれぞれ上顎骨及び下顎骨になる
ⓑ前頭鼻鼻隆起は、のちに側頭骨、額、鼻などになる
ⅱ)顔面の基本構造は、胎生約4-8週に確立するが、顔の中央部は胎児の発育から出生直後の時期まで発達不十分のままである
ⅲ)顔面骨を形成する間葉は神経堤由来
④頭蓋・顔面骨は、生下時45個の軟骨、及び骨性成分からなるが、骨癒合完成後の成人では23個(7個の頭部、16個の顔面骨)に減少している
⑤生後6ヶ月までは神経頭蓋の発達が内蔵頭蓋の発達に先行するが、その後は内蔵頭蓋の発達が神経頭蓋を上回る⇦顔面骨の発達は成人まで続く
11/21/2012
頭蓋骨の発生
1)概説
①分類
形態学的分類
❶神経頭蓋Neurocranium
ⓐ脳を入れる頭蓋
ⓑ頭蓋冠と頭蓋底に分ける
㋐頭蓋冠
ⅰ 頭蓋腔の天井部
ⅱ 頭蓋冠は扁平骨であり、組織学的には膜性骨かにより発生→ 膜性骨と呼ばれる⇨頭蓋冠は膜性神経頭蓋と呼ばれる
㋑頭蓋底
ⅰ 頭蓋腔の底部
ⅱ 最初の頭蓋底形成に重要な役割を演ずるのは脊索
ⅲ 頭蓋底を構成する骨の大部分は軟骨性骨に属する⇨頭蓋底は軟骨性神経頭蓋と呼ばれる
ⅳ 頭蓋底の骨化には一定の順序有り⇨後頭蓋→蝶形骨体→篩骨
ⅴ 頭蓋底における軟骨内骨化は胎生3ヶ月のはじめに開始される
❷内蔵頭蓋viscerocranium(顔面頭蓋)
ⓐ口腔、咽頭や上気道などを取り囲む頭蓋
ⓑ顔面の骨で構成されているので、顔面骨とも呼ばれる
ⓒ顔面骨で構成される内蔵頭蓋は、鰓弓より形成される⇦顔面骨は第一鰓弓、第二鰓弓、第三鰓弓に由来する
ⓓ鰓弓内に出現する軟骨性原基から形成される骨を軟骨性内蔵顔面という(⇦耳小骨や舌骨の一部)
ⓔ構成する骨により軟骨性内蔵顔面と膜性内蔵顔面にわけられる
骨化による分類
❶膜性頭蓋⇦頭蓋冠は膜性骨化の発生過程をとる
❷軟骨性頭蓋⇦頭蓋底は軟骨内骨化の発生過程をとる
Ⅰ神経頭蓋と内蔵頭蓋はそれぞれ、
❶間葉細胞から軟骨の鋳型(硝子軟骨性原基)ができて、のちに軟骨内骨化により骨化する軟骨性頭蓋と
❷間葉細胞から直接骨ができる膜性骨化の発生過程をとる膜性頭蓋
の2つに分けられる
Ⅱ神経頭蓋と内蔵頭蓋との境界⇨鼻根部から眼窩上壁をへて外耳道に至る面
11/15/2012
骨格系 発生
概説
① 一般に骨格の発生は、膜様期、軟骨期、化骨期の3つの経過を辿るが脊椎ではこれに加えて脊索形成が先行する。⇦脊索は椎体の中で退化、椎間板内では残存し、液性変化を起こし髄核になる
② 骨格系は神経堤(neural crest)と中胚葉(沿軸中胚葉と側板中胚葉)から形成される
ⅰ)沿軸中胚葉は神経管の両側に見られる中胚葉細胞の肥厚した柱で、およそ胎生17日目までに形成される⇦沿軸中胚葉は分節板とも呼ばれる
ⓐ胎生第3週末、沿軸中胚葉が分化して体節(somite)になる⇦体節からはのちに体幹筋、椎骨や真皮などが形成される
ⓑ体節は分化して、腹内側の椎板(椎節、硬節)と後外側の皮筋板となる
③骨化形式
ⅰ)膜性骨化
胎生期における未分化間葉細胞が骨芽細胞に分化し、類骨(osteoid)、骨小柱(bone
trabecula)を経て骨細胞となる。これを膜内骨化(intramembranous
ossification)という。骨芽細胞は複数の骨化中心で骨様組織を合成、分泌して骨様組織の無機質沈着が起きる。そしてその骨芽細胞は小腔に閉じ
込められ骨細胞になる。前頭骨、頭頂骨、後頭骨、側頭骨、頭蓋冠を構成する扁平骨、下顎骨の一部、鎖骨などがある。
ⓐ間葉組織細胞から直接骨化するもの
ⓑすなわち、軟骨細胞が形成されずに間葉細胞が骨芽細胞を経て骨細胞に変化して骨化が起こるもの
ⓒ結合組織性骨化ともいう
ⅱ)軟骨内骨化
胎生~思春期における硝子軟骨が骨組織に置換されることを軟骨内骨化(内軟骨性骨化)という。椎骨、四肢骨などがある。すなわち胎生期は軟骨で骨格が作られている。
細胞レベルで見てみると次の現象が起こっている。軟骨細胞は肥大化後、やがて細胞死する。細胞死中の軟骨細胞は破骨細胞に取り込まれて処理される。軟骨細胞がなくなった部分には、骨芽細胞が骨基質を分泌して骨を形成する。成長期では、軟骨細胞が破骨細胞に吸収される速さと、骨芽細胞によって石灰化していく速さが等しく、動的平衡を保っているため、身長が伸びる。ホルモン異常により、思春期を過ぎても骨化がつづく場合があり、末端肥大症や、巨人症を引き起こす。
中胚葉の間葉細胞濃縮が始まり、前軟骨状態及び軟骨を経て骨化が起こるもの
11/14/2012
頭蓋骨
ヒトの場合、成人の頭蓋骨は通常28個の骨から構成される。下顎を除いて、頭蓋の骨格はすべて縫合によって互いに連結されている。
8個の骨格が神経頭蓋を形成し、14個の骨格が内臓頭蓋を形成する。中耳の6個の耳小骨は側頭骨の内側に包まれる。通常、喉頭を支持する舌骨は頭蓋骨の一部と見なさない。
頭蓋顔面は、20個以上の骨から構成される頭蓋顔面骨としてまとめられ、その役割から脳や中枢神経組織を外部から保護する頭蓋骨群、その下部から支持する頭蓋底骨群、そして顔面を構成する顔面骨群の3つに大別することができる
頭蓋骨や顔面骨の多くは、骨芽細胞が直接骨を形成する膜性骨化様式であるのに対し、頭蓋底は一旦軟骨形成を経た後に骨に置き換わる内軟骨性骨化様式をとる
7/06/2012
原始胚細胞
胎生4週頃は、形態形成、組織形成に関連する多くの遺伝子が連鎖的に発現する時期とされ、体を形成するといった観点から極めて重要な時期といえる。
胎児期の原始胚細胞が段階的に分化して精子,卵子になる。また原始胚細胞は原始生殖腺を発達させて精巣、卵巣を形成させる。
原始胚細胞は胎生3週の頃、尿膜に近い卵黄嚢壁の内胚葉細胞間に出現し、胎生5週(生殖腺原基が形成されるステージ)までに後腸の背側腸間膜に沿いアメーバ運動で移動し、将来生殖腺原基となる生殖隆起に到達する。原始胚細胞は、移動に失敗し、目的地である生殖隆起に到達せずに他の部位に紛れ込み腫瘍化することもある。
第6週に原始胚細胞が原始生殖腺の生殖堤に到達すると生殖腺が発達し卵巣,精巣が形成される。原始胚細胞がないと生殖腺の発達が開始しない。
中胚葉由来の生殖隆起は、移動して来た原始生殖細胞と共に、生殖腺原基(後の精巣、卵巣)を形成する。
のちの成熟した生殖腺(精巣、卵巣)に含まれる細胞のうち、生殖細胞(卵子、精子のもと)となるのは、移動して来た原始胚細胞由来の細胞のみであり、生殖隆起を形成する細胞群は、その「いれもの」としての役割に終始する。
ヒトでは生殖細胞(原始胚細胞)が、生殖腺原基の器の部分(生殖隆起)を構成する細胞から分化してくるのでなく、別の場所で分化してから「移動」してくる、しかも生殖隆起は中胚葉性の中腎表面の肥厚、原始胚細胞は内胚葉性の卵黄嚢と、その由来までもが異なる。
これは、生殖細胞が他の細胞とは違う「特別な細胞」であること、将来生殖細胞の「いれもの」となる生殖隆起を構成する細胞群と、生殖細胞となる原始胚細胞とでは明確な役割分担があり、それぞれのアイデンティティーが確立されていること、生殖細胞の分化が胚発生のごく早い段階(遅くとも胎生3週の頃)で既に行われていて、別の細胞は、その肩代わりができないことを示唆している。
7/05/2012
胚細胞腫瘍とは?
胚細胞腫瘍をもっと詳しく知りたいあなたのために
胎児期の胎生4週に原始胚細胞(原始生殖細胞)が出現し、胎生5週に将来の卵巣や精巣を形成する生殖堤(隆起)へ移動する。この原始胚細胞から卵子や精子
などの胚細胞が形成される。胚細胞腫瘍は、胎児期の原始胚細胞が胚細胞になるまでの間に発生してくる腫瘍と理解されている。胚細胞腫瘍は卵巣や精巣の他、頭蓋内(松果体)、縦隔、胃、後腹膜、仙尾部などの性腺以外の部位からも発生する
が、これは胎児期の発生段階で迷入した原始胚細胞から発生するものと推察されている。
頭蓋内に発生する胚細胞腫瘍は、全脳腫瘍の約3%と報告されている。欧米ではその発生率は約1%なので、日本では約3倍の発生率ということとなる。頭蓋内胚細胞腫瘍は、日本や韓国などの東アジアに多く発生すると報告されているが、その理由は未だ明らかではない。また、小児脳腫瘍の代表である髄芽腫の3倍の発生率と言われている。
9/21/2011
神経管形成
神経板誘導(GA3wはじめ)
神経管が出来る過程を神経管形成(neurulation)といい、胎生第4週に完成。
中枢神経系は、胎生第3週(day18)に原始窩の前方、正中背側に神経板ができることにより発生が始まる。脊索(←中胚葉性)の誘導によって胚性外胚葉が肥厚して神経外胚葉となる(神経誘導)。この厚い板状の外胚葉を神経板といい、神経板は最初単層神経上皮細胞で構成されるが、神経管が形成される頃には多層となっていく。
神経誘導に部位特異性を与える分子機構
外胚葉を表皮に分化させるBMP4が原始結節、脊索のノギン、コルジン、フォリスタチンによって不活性化される
この神経板は正中部が陥凹して神経溝となり、その両側の部分は隆起して神経ヒダとなる。神経ヒダは特にその頭側で大きくなっている。神経溝は外側壁が中央で癒合して神経管となり、残りの胚性外胚葉から分かれる。残りの胚性外胚葉は体表外胚葉になる。
脊索による神経誘導が行われない場所ではBMP4の働きによって表皮に分化する。
脊索と神経板の長さは、はじめ一致しているが脊索が脊索前板を超えて伸長できないのに対し、神経板はそれが可能であるため、神経板は脊索を超えて頭側に広がる。
神経板はやがて吻側が脳管となり、最終的には脳となる。尾側は脊髄管となって最終的に脊髄となる。
脊索は脊髄管全長と脳管後半の腹側に位置する。脳管は前半部が終脳と間脳となり、後半部が中脳と菱脳が分化する。
神経ヒダ
神経板の左右外側壁の細胞分裂は特に盛んで、神経ヒダと呼ばれる。
神経板の正中部は次第に凹み、神経溝と呼ばれるようになる。
胎生第4週(day22頃)、左右の神経ヒダが癒合し、神経管が形成される。この神経管が出来る過程を神経管形成(neurulation)という。
神経ヒダの癒合は、将来の脳と脊髄との移行部付近(神経溝全体の中央)から始まり、頭側、尾側に向かって進む。⇔ 第4体節域から始まる
神経管閉鎖は胎生第3~4週、第4~7体節レベルから始まり、頭側、尾側へ進行する。
神経管形成
GA4w(day22ころ)左右の神経ヒダが癒合し、神経管が形成される ←神経管形成
神経ヒダの癒合は第4体節域(将来の脳脊髄移行部)で始まる
神経管閉鎖は胎生第3~4週、第4~7体節レベルから始まり、頭側、尾側へ進行する。
神経管の頭側、尾側は開いたままであり、前神経孔(anterior neuropore),後神経孔(posterior neuropore)と呼ばれる
形成初期の神経管腔は前神経孔と後神経孔で羊膜腔に開口する
GA4wまでに閉鎖する
前神経孔閉鎖:胎生25日(23~26)
後神経孔閉鎖:胎生27日(26~30)
神経管閉鎖により、神経管は閉鎖性の環状構造物となる
☞神経管閉鎖不全により生じる中枢神経系奇形を神経管閉鎖不全症(dysraphism)と総称される
前神経孔が閉鎖し、将来的に終板(lamina terminalis)にな
終板は間脳蓋板から視交叉まで
終板は左右の大脳半球を連絡する ☞交連線維の通路
終板は透明中隔も形成
後神経孔の閉鎖は頭側から尾側へ進み、第2仙椎の高さ(31番目の体節の高さ)で終わる ☞後神経孔は将来の第2仙椎に一致する
神経管:分裂の盛んな多列円柱の神経上皮細胞(神経外胚葉細胞)からなり、のちに3層に分化する
8/23/2011
後頭蓋窩
後頭蓋窩とは、頭蓋内空間の一部分を指し、大後頭孔から小脳テントまでの部分をいう。頭蓋の中では、最も下方に位置する窩で、小脳、延髄、橋を含んでいる。小児では、脳腫瘍や奇形が後頭蓋窩に起こることが多く、小児脳神経外科医にとっては重要な部位といえる。
鑑別すべき腫瘤性病変
成人
単一病変
1.経験則として、成人後頭蓋窩に発生する充実性病変の鑑別診断は、他の診断が確定するまで第一の鑑別として転移性腫瘍、第二に転移性腫瘍、第三に転移性腫瘍である。
2.血管芽腫:成人後頭蓋窩に発生する原発性髄内腫瘍では最大の頻度を示す(後頭蓋窩脳腫瘍の7-12%)。
3.毛様細胞性星細胞腫:充実性あるいはのう胞性で、若年成人に多い傾向がある。
4.脳幹神経膠腫:成人では比較的まれ。
5.膿瘍
6.海綿状血管腫
7.出血
8.梗塞
複数病変
1.転移性腫瘍
2.血管芽腫
3.膿瘍
4.海綿状血管腫
小児
4種類の腫瘍が18歳以下のテント下脳腫瘍の95%を占める。上位3種の発生頻度は同じ。
1.PNET(髄芽腫を含む)27%:多くの場合第4脳室屋根から発生、ほとんどが充実性。
2.小脳星細胞腫 27%:小脳半球から発生。
3.脳幹神経膠腫 28%:
4.上衣腫
5.脈絡叢乳頭腫
6.転移性腫瘍:神経芽腫、横紋筋肉腫、Wilms腫瘍
8/02/2011
胚細胞腫瘍
胚細胞腫瘍とは、原始胚細胞という細胞群が腫瘍性(からだの中で秩序なく増えていく性質)を獲得し、どんどん大きくなっていき、塊をつくってしまったものです。本来生殖器(精巣、卵巣)に発生する腫瘍群の総称で、なぜその腫瘍群が頭蓋内に発生するかはまだ分かっていません。
頭蓋内胚細胞腫瘍とは、5,6歳から思春期ぐらいのこども達におこる、どちらかというと男の子に多い病気です。神経下垂体部や松果体という脳の真ん中にある構造物付近に多く生じます。神経下垂体部病変では、ホルモンの異常により成長障害や尿崩症の症状でみつかったり、腫瘍の圧迫や浸潤により視力・視野障害などが出現したりします。松果体の病変では、水頭症や頭蓋内圧亢進症状から診断に至ることがあります。診断時に複数の病変や脊髄への播種を認めることもあります。日本での発生頻度を見てみると、全脳腫瘍の約3%で、5歳から19歳までの間にほぼ65%が集中しています。診断時の平均年齢は18歳前後と報告されていて、4歳以下や30歳以上の人たちにこの腫瘍群が発生することは稀です。また、男性に圧倒的に多く発生しますが、この理由もまだ分かっていません。
尿崩症(にょうほうしょう):尿中へ水分の排泄を調節する抗利尿ホルモンというホルモの異常により多尿となり、その結果摂取する水分が増える(多飲多尿)
水頭症(すいとうしょう):脳や脊髄の周りを循環する脳脊髄液が何らかの原因により異常に貯留し、脳室が拡大、過去あるいは現在において頭蓋内圧亢進を呈した病態
頭蓋内圧亢進(ずがい ないあつこうしん):頭蓋骨で囲まれた、脳が入っている空間の圧力が何らかの影響で上昇し、その結果脳に影響を及ぼすこと
6/21/2011
課題
小児脳腫瘍の抱える問題点
・ 小児の固形がんの中では最も発生頻度が高く、かつ死亡率の高い疾患である
・ 小児悪性腫瘍による死亡の最大の原因は脳腫瘍である
・ 治療法の選択が極めて難しい
・ 日本においては,少ない症例が多くの施設に分散することで、治療水準の向上を妨げている
・ 高度な治療のできる施設が限られており、それらの施設でも十分な治癒実績が得られていない
・ 施設によって受けられる治療に大きな格差が生じている
・ 高度な機能を持つ脳に対する治療の結果、救命できても重い障害が残ることが多い
・ 成人後も継続する治療の経済的負担が大きい
・ 障害により、成人後の自立が難しい
・ 乳幼児・学童・生徒に長期の治療を行うため、保育や教育の現場での配慮が必要になる
・ 入学・復学がうまく行かない
・ 知能低下、機能低下、体調不良などにより学校生活にうまく適応できない
・ 発達期の子どもに対する心理的な影響が大きい
上に挙げたように、小児悪性腫瘍、特に脳腫瘍が抱える課題は 枚挙にいとまがない。医学的な課題、社会的な課題、行政的な課題など、現在それぞれの専門家が地道に解決策を模索している。そのなかでも、拠点となる病院、センターとしての病院への集約化は、知識、技術、know-howの蓄積という意味では課題解決のための最大の試金石になる可能性がある。
6/10/2011
種類と発生部位
小児脳腫瘍の中には多くの種類の腫瘍が含まれますが、発生頻度の高いものとして星細胞腫、胚細胞腫瘍、髄芽腫、上衣腫、頭蓋咽頭腫が挙げられます。これらの腫瘍で小児脳腫瘍全体の約65%を占めると報告されています。2009年版全国脳腫瘍集計調査報告によると、発生頻度は星細胞腫 18.6%、髄芽腫 12.0%、胚種 9.4%となっています。
発生部位の特徴として、天幕下や正中線上に発生することが多いことが知られています。つまり生命中枢や神経内分泌中枢の近くに発生します。後頭蓋窩に発生する脳幹神経膠腫、髄芽腫、上衣腫などは前者の代表例ですし、神経下垂体部胚細胞腫瘍、頭蓋咽頭腫、視神経神経膠腫などは後者の代表です。このため、手術による腫瘍摘出が制限されたり、放射線治療の範囲や照射量などにも制限が出てきます。
また、もう一つの特徴として、脳脊髄液の流路に接して発生するという特徴を有しています。これは、腫瘍が大きくなるにつれて脳脊髄液が流れにくくなったり、完全に流れなくなったりすることがあり、水頭症の原因となります。
6/03/2011
発生頻度 ー 小児脳腫瘍をもっと詳しく知りたいあなたのために
脳腫瘍を俯瞰すると全年齢にわたり発生しているが、その本質は成人の腫瘍であり、小児発生例は全脳腫瘍の8%に過ぎない。しかし、視点を変えて小児がんの側から脳腫瘍を眺めてみると、小児脳腫瘍は白血病に次いで発生頻度が高く、小児期に発生する固形腫瘍の中では最も頻度が高い重要 な疾患といえる。日本脳腫瘍全国集計によれば成人を含めた脳腫瘍の発生頻度は、人口10万人に対して12.8人、小児に発生する頻度は7.8%と報告されている。全原発性脳腫瘍の11.1%を占める 。
4/19/2011
発生頻度
こども達の中枢神経系に発生する腫瘍は、小児悪性腫瘍全体の20-25%を占めると報告されています。白血病についで2番目に多く、固形腫瘍だけを考えると最も発生頻度の高い腫瘍群です。アメリカでは、毎年約1500 ~ 2000人のこども達に脳腫瘍が発生すると言われています。つまり小児人口10万人あたり、年間約4人の脳腫瘍患児が発生していることになります。一方、本邦では日本脳腫瘍全国集計によれば成人を含めた脳腫瘍の発生頻度は、人口10万人に対して12.8人、そのうち15歳未満の小児に発生する頻度は7.8%といわれています。
4/15/2011
小児脳腫瘍とは - 小児脳腫瘍をもっと詳しく知りたいあなたのために -
小児の中枢神経系に発生する腫瘍は、小児がんの中では白血病についで二番目に多く、固形腫瘍に限ると最大の発生頻度を示す腫瘍である。アメリカでは、年間およそ1500-2000人の小児脳腫瘍患者が発生していると報告されている。白血病をはじめとする小児がんの治療成績が向上している近年の小児がん医療においても、小児脳腫瘍のそれは依然として満足できるものとは言えず、小児がんの中では最大の死亡原因となっている。とはいえ、近年の神経放射線検査の技術向上、それに伴う早期診断や治療への応用、腫瘍摘出術、化学療法、放射線治療を中心とした集学的治療によって、小児脳腫瘍患児の中にも長期にわたり生存しているこども達も増えている。
4/12/2011
小児脳腫瘍とは
脳腫瘍とは、脳組織の中に正常とは異なる細胞が増殖してできる腫瘍の総称です。良性から悪性のものまで様々な種類があり、それぞれの腫瘍によって治療方針や予後が異なります。また、脳腫瘍はこどもから大人まであらゆる年齢に発生しますが、15歳未満のこども達に発生する脳腫瘍を小児脳腫瘍と呼びます。
小児脳腫瘍とは、ただ単に脳腫瘍がこどもの脳にできたという問題ではなく、大人の脳腫瘍とは異なった考え方や、こども達の発育・発達にあわせた治療に対する考え方が必要となります。そのため、脳神経外科医、神経腫瘍科医、放射線治療医、看護師をはじめとする医療スタッフや家族、学校、地域といった患児を取り巻く社会が密に連携してこども達の治療に関わることが重要です。
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