12/19/2012

頭蓋骨の発生 その2


②頭蓋骨の大部分は、神経外胚葉に起源する神経堤細胞により形成される
ⅰ)頭蓋骨の原基は胎芽期はじめに間葉細胞の濃縮により形成される
ⅱ)頭蓋骨の原基は、頭部間葉、後頭体節椎板、鰓弓中胚葉、頭部脊索の4つの部分から起こり、その後欠く骨化中心の出現とその癒合が出生後にわたって行われる

③顔面及び顔面骨
ⅰ)ヒトの顔面は、胎生4-10週に原始口窩の周りの5つの顔面隆起、すなわち無対の前頭鼻隆起、1対の上顎隆起、及び1対の下顎隆起の癒合により形成される
ⓐ上顎隆起は第一鰓弓の背側を、下顎隆起は第一鰓弓の腹側を占めそれぞれ上顎骨及び下顎骨になる
ⓑ前頭鼻鼻隆起は、のちに側頭骨、額、鼻などになる
ⅱ)顔面の基本構造は、胎生約4-8週に確立するが、顔の中央部は胎児の発育から出生直後の時期まで発達不十分のままである
ⅲ)顔面骨を形成する間葉は神経堤由来

④頭蓋・顔面骨は、生下時45個の軟骨、及び骨性成分からなるが、骨癒合完成後の成人では23個(7個の頭部、16個の顔面骨)に減少している

⑤生後6ヶ月までは神経頭蓋の発達が内蔵頭蓋の発達に先行するが、その後は内蔵頭蓋の発達が神経頭蓋を上回る⇦顔面骨の発達は成人まで続く

11/21/2012

頭蓋骨の発生


1)概説
①分類
形態学的分類
❶神経頭蓋Neurocranium
脳を入れる頭蓋
ⓑ頭蓋冠と頭蓋底に分ける

㋐頭蓋冠
ⅰ 頭蓋腔の天井部
ⅱ 頭蓋冠は扁平骨であり、組織学的には膜性骨かにより発生→ 膜性骨と呼ばれる⇨頭蓋冠は膜性神経頭蓋と呼ばれる
㋑頭蓋底
ⅰ 頭蓋腔の底部
ⅱ 最初の頭蓋底形成に重要な役割を演ずるのは脊索
ⅲ 頭蓋底を構成する骨の大部分は軟骨性骨に属する⇨頭蓋底は軟骨性神経頭蓋と呼ばれる
ⅳ 頭蓋底の骨化には一定の順序有り⇨後頭蓋→蝶形骨体→篩骨
ⅴ 頭蓋底における軟骨内骨化は胎生3ヶ月のはじめに開始される

❷内蔵頭蓋viscerocranium(顔面頭蓋)
ⓐ口腔、咽頭や上気道などを取り囲む頭蓋
ⓑ顔面の骨で構成されているので、顔面骨とも呼ばれる
ⓒ顔面骨で構成される内蔵頭蓋は、鰓弓より形成される⇦顔面骨は第一鰓弓、第二鰓弓、第三鰓弓に由来する
ⓓ鰓弓内に出現する軟骨性原基から形成される骨を軟骨性内蔵顔面という(⇦耳小骨や舌骨の一部)
ⓔ構成する骨により軟骨性内蔵顔面と膜性内蔵顔面にわけられる

骨化による分類
❶膜性頭蓋⇦頭蓋冠は膜性骨化の発生過程をとる
❷軟骨性頭蓋⇦頭蓋底は軟骨内骨化の発生過程をとる



Ⅰ神経頭蓋と内蔵頭蓋はそれぞれ、
❶間葉細胞から軟骨の鋳型(硝子軟骨性原基)ができて、のちに軟骨内骨化により骨化する軟骨性頭蓋と
❷間葉細胞から直接骨ができる膜性骨化の発生過程をとる膜性頭蓋
 の2つに分けられる
Ⅱ神経頭蓋と内蔵頭蓋との境界⇨鼻根部から眼窩上壁をへて外耳道に至る面

11/15/2012

骨格系 発生


概説
① 一般に骨格の発生は、膜様期、軟骨期、化骨期の3つの経過を辿るが脊椎ではこれに加えて脊索形成が先行する。⇦脊索は椎体の中で退化、椎間板内では残存し、液性変化を起こし髄核になる

② 骨格系は神経堤(neural crest)と中胚葉(沿軸中胚葉と側板中胚葉)から形成される
ⅰ)沿軸中胚葉は神経管の両側に見られる中胚葉細胞の肥厚した柱で、およそ胎生17日目までに形成される⇦沿軸中胚葉は分節板とも呼ばれる
ⓐ胎生第3週末、沿軸中胚葉が分化して体節(somite)になる⇦体節からはのちに体幹筋、椎骨や真皮などが形成される
ⓑ体節は分化して、腹内側の椎板(椎節、硬節)と後外側の皮筋板となる


③骨化形式
ⅰ)膜性骨化
胎生期における未分化間葉細胞が骨芽細胞に分化し、類骨(osteoid)、骨小柱(bone trabecula)を経て骨細胞となる。これを膜内骨化(intramembranous ossification)という。骨芽細胞は複数の骨化中心で骨様組織を合成、分泌して骨様組織の無機質沈着が起きる。そしてその骨芽細胞は小腔に閉じ 込められ骨細胞になる。前頭骨、頭頂骨、後頭骨、側頭骨、頭蓋冠を構成する扁平骨、下顎骨の一部、鎖骨などがある。

ⓐ間葉組織細胞から直接骨化するもの
ⓑすなわち、軟骨細胞が形成されずに間葉細胞が骨芽細胞を経て骨細胞に変化して骨化が起こるもの
ⓒ結合組織性骨化ともいう

ⅱ)軟骨内骨化
胎生~思春期における硝子軟骨が骨組織に置換されることを軟骨内骨化(内軟骨性骨化)という。椎骨、四肢骨などがある。すなわち胎生期は軟骨で骨格が作られている。 細胞レベルで見てみると次の現象が起こっている。軟骨細胞は肥大化後、やがて細胞死する。細胞死中の軟骨細胞は破骨細胞に取り込まれて処理される。軟骨細胞がなくなった部分には、骨芽細胞が骨基質を分泌して骨を形成する。成長期では、軟骨細胞が破骨細胞に吸収される速さと、骨芽細胞によって石灰化していく速さが等しく、動的平衡を保っているため、身長が伸びる。ホルモン異常により、思春期を過ぎても骨化がつづく場合があり、末端肥大症や、巨人症を引き起こす。

中胚葉の間葉細胞濃縮が始まり、前軟骨状態及び軟骨を経て骨化が起こるもの

11/14/2012

頭蓋骨


ヒトの場合、成人の頭蓋骨は通常28個の骨から構成される。下顎を除いて、頭蓋の骨格はすべて縫合によって互いに連結されている。
8個の骨格が神経頭蓋を形成し、14個の骨格が内臓頭蓋を形成する。中耳の6個の耳小骨は側頭骨の内側に包まれる。通常、喉頭を支持する舌骨は頭蓋骨の一部と見なさない。

頭蓋顔面は、20個以上の骨から構成される頭蓋顔面骨としてまとめられ、その役割から脳や中枢神経組織を外部から保護する頭蓋骨群、その下部から支持する頭蓋底骨群、そして顔面を構成する顔面骨群の3つに大別することができる

頭蓋骨や顔面骨の多くは、骨芽細胞が直接骨を形成する膜性骨化様式であるのに対し、頭蓋底は一旦軟骨形成を経た後に骨に置き換わる内軟骨性骨化様式をとる

7/06/2012

原始胚細胞


胎生4週頃は、形態形成、組織形成に関連する多くの遺伝子が連鎖的に発現する時期とされ、体を形成するといった観点から極めて重要な時期といえる。
胎児期の原始胚細胞が段階的に分化して精子,卵子になる。また原始胚細胞は原始生殖腺を発達させて精巣、卵巣を形成させる。

原始胚細胞は胎生3週の頃、尿膜に近い卵黄嚢壁の内胚葉細胞間に出現し、胎生5週(生殖腺原基が形成されるステージ)までに後腸の背側腸間膜に沿いアメーバ運動で移動し、将来生殖腺原基となる生殖隆起に到達する。原始胚細胞は、移動に失敗し、目的地である生殖隆起に到達せずに他の部位に紛れ込み腫瘍化することもある。

第6週に原始胚細胞が原始生殖腺の生殖堤に到達すると生殖腺が発達し卵巣,精巣が形成される。原始胚細胞がないと生殖腺の発達が開始しない。

中胚葉由来の生殖隆起は、移動して来た原始生殖細胞と共に、生殖腺原基(後の精巣、卵巣)を形成する。
のちの成熟した生殖腺(精巣、卵巣)に含まれる細胞のうち、生殖細胞(卵子、精子のもと)となるのは、移動して来た原始胚細胞由来の細胞のみであり、生殖隆起を形成する細胞群は、その「いれもの」としての役割に終始する。
ヒトでは生殖細胞(原始胚細胞)が、生殖腺原基の器の部分(生殖隆起)を構成する細胞から分化してくるのでなく、別の場所で分化してから「移動」してくる、しかも生殖隆起は中胚葉性の中腎表面の肥厚、原始胚細胞は内胚葉性の卵黄嚢と、その由来までもが異なる。

これは、生殖細胞が他の細胞とは違う「特別な細胞」であること、将来生殖細胞の「いれもの」となる生殖隆起を構成する細胞群と、生殖細胞となる原始胚細胞とでは明確な役割分担があり、それぞれのアイデンティティーが確立されていること、生殖細胞の分化が胚発生のごく早い段階(遅くとも胎生3週の頃)で既に行われていて、別の細胞は、その肩代わりができないことを示唆している。

7/05/2012

胚細胞腫瘍とは?


胚細胞腫瘍をもっと詳しく知りたいあなたのために


胎児期の胎生4週に原始胚細胞(原始生殖細胞)が出現し、胎生5週に将来の卵巣や精巣を形成する生殖堤(隆起)へ移動する。この原始胚細胞から卵子や精子 などの胚細胞が形成される。胚細胞腫瘍は、胎児期の原始胚細胞が胚細胞になるまでの間に発生してくる腫瘍と理解されている。胚細胞腫瘍は卵巣や精巣の他、頭蓋内(松果体)、縦隔、胃、後腹膜、仙尾部などの性腺以外の部位からも発生する が、これは胎児期の発生段階で迷入した原始胚細胞から発生するものと推察されている。

頭蓋内に発生する胚細胞腫瘍は、全脳腫瘍の約3%と報告されている。欧米ではその発生率は約1%なので、日本では約3倍の発生率ということとなる。頭蓋内胚細胞腫瘍は、日本や韓国などの東アジアに多く発生すると報告されているが、その理由は未だ明らかではない。また、小児脳腫瘍の代表である髄芽腫の3倍の発生率と言われている。

9/21/2011

神経管形成

神経板誘導(GA3wはじめ)


神経管が出来る過程を神経管形成(neurulation)といい、胎生第4週に完成。

中枢神経系は、胎生第3週(day18)に原始窩の前方、正中背側に神経板ができることにより発生が始まる。脊索(中胚葉性)の誘導によって胚性外胚葉が肥厚して神経外胚葉となる(神経誘導)。この厚い板状の外胚葉を神経板といい、神経板は最初単層神経上皮細胞で構成されるが、神経管が形成される頃には多層となっていく。

神経誘導に部位特異性を与える分子機構
外胚葉を表皮に分化させるBMP4が原始結節、脊索のノギン、コルジン、フォリスタチンによって不活性化される


この神経板は正中部が陥凹して神経溝となり、その両側の部分は隆起して神経ヒダとなる。神経ヒダは特にその頭側で大きくなっている。神経溝は外側壁が中央で癒合して神経管となり、残りの胚性外胚葉から分かれる。残りの胚性外胚葉は体表外胚葉になる。

脊索による神経誘導が行われない場所ではBMP4の働きによって表皮に分化する。

脊索と神経板の長さは、はじめ一致しているが脊索が脊索前板を超えて伸長できないのに対し、神経板はそれが可能であるため、神経板は脊索を超えて頭側に広がる。
神経板はやがて吻側が脳管となり、最終的には脳となる。尾側は脊髄管となって最終的に脊髄となる。
脊索は脊髄管全長と脳管後半の腹側に位置する。脳管は前半部が終脳と間脳となり、後半部が中脳と菱脳が分化する。

神経ヒダ

神経板の左右外側壁の細胞分裂は特に盛んで、神経ヒダと呼ばれる。
神経板の正中部は次第に凹み、神経溝と呼ばれるようになる。

胎生第4週(day22)、左右の神経ヒダが癒合し、神経管が形成される。この神経管が出来る過程を神経管形成(neurulation)という。
神経ヒダの癒合は、将来の脳と脊髄との移行部付近(神経溝全体の中央)から始まり、頭側、尾側に向かって進む。⇔ 第4体節域から始まる

神経管閉鎖は胎生第3~4週、第47体節レベルから始まり、頭側、尾側へ進行する。

神経管形成

GA4(day22ころ)左右の神経ヒダが癒合し、神経管が形成される ←神経管形成
神経ヒダの癒合は第4体節域(将来の脳脊髄移行部)で始まる
神経管閉鎖は胎生第3~4週、第47体節レベルから始まり、頭側、尾側へ進行する。

神経管の頭側、尾側は開いたままであり、前神経孔(anterior neuropore),後神経孔(posterior neuropore)と呼ばれる
形成初期の神経管腔は前神経孔と後神経孔で羊膜腔に開口する
GA4wまでに閉鎖する
前神経孔閉鎖:胎生25日(23~26)
後神経孔閉鎖:胎生27日(26~30)
神経管閉鎖により、神経管は閉鎖性の環状構造物となる
☞神経管閉鎖不全により生じる中枢神経系奇形を神経管閉鎖不全症(dysraphism)と総称される
前神経孔が閉鎖し、将来的に終板(lamina terminalis)にな
終板は間脳蓋板から視交叉まで
終板は左右の大脳半球を連絡する ☞交連線維の通路
終板は透明中隔も形成
後神経孔の閉鎖は頭側から尾側へ進み、第2仙椎の高さ(31番目の体節の高さ)で終わる ☞後神経孔は将来の第2仙椎に一致する
神経管:分裂の盛んな多列円柱の神経上皮細胞(神経外胚葉細胞)からなり、のちに3層に分化する