概説
① 一般に骨格の発生は、膜様期、軟骨期、化骨期の3つの経過を辿るが脊椎ではこれに加えて脊索形成が先行する。⇦脊索は椎体の中で退化、椎間板内では残存し、液性変化を起こし髄核になる
② 骨格系は神経堤(neural crest)と中胚葉(沿軸中胚葉と側板中胚葉)から形成される
ⅰ)沿軸中胚葉は神経管の両側に見られる中胚葉細胞の肥厚した柱で、およそ胎生17日目までに形成される⇦沿軸中胚葉は分節板とも呼ばれる
ⓐ胎生第3週末、沿軸中胚葉が分化して体節(somite)になる⇦体節からはのちに体幹筋、椎骨や真皮などが形成される
ⓑ体節は分化して、腹内側の椎板(椎節、硬節)と後外側の皮筋板となる
③骨化形式
ⅰ)膜性骨化
胎生期における未分化間葉細胞が骨芽細胞に分化し、類骨(osteoid)、骨小柱(bone
trabecula)を経て骨細胞となる。これを膜内骨化(intramembranous
ossification)という。骨芽細胞は複数の骨化中心で骨様組織を合成、分泌して骨様組織の無機質沈着が起きる。そしてその骨芽細胞は小腔に閉じ
込められ骨細胞になる。前頭骨、頭頂骨、後頭骨、側頭骨、頭蓋冠を構成する扁平骨、下顎骨の一部、鎖骨などがある。
ⓐ間葉組織細胞から直接骨化するもの
ⓑすなわち、軟骨細胞が形成されずに間葉細胞が骨芽細胞を経て骨細胞に変化して骨化が起こるもの
ⓒ結合組織性骨化ともいう
ⅱ)軟骨内骨化
胎生~思春期における硝子軟骨が骨組織に置換されることを軟骨内骨化(内軟骨性骨化)という。椎骨、四肢骨などがある。すなわち胎生期は軟骨で骨格が作られている。
細胞レベルで見てみると次の現象が起こっている。軟骨細胞は肥大化後、やがて細胞死する。細胞死中の軟骨細胞は破骨細胞に取り込まれて処理される。軟骨細胞がなくなった部分には、骨芽細胞が骨基質を分泌して骨を形成する。成長期では、軟骨細胞が破骨細胞に吸収される速さと、骨芽細胞によって石灰化していく速さが等しく、動的平衡を保っているため、身長が伸びる。ホルモン異常により、思春期を過ぎても骨化がつづく場合があり、末端肥大症や、巨人症を引き起こす。
中胚葉の間葉細胞濃縮が始まり、前軟骨状態及び軟骨を経て骨化が起こるもの
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