12/25/2012

頭蓋骨発生 その3


ヒトの頭蓋底では、胎生12ヶ月までに頭蓋底を構成する骨群の前駆体して
①前脊軟骨(prechordal plate)
②下垂体軟骨(hypophyseal plate)
③傍索軟骨(parachordal plate)

3種の軟骨小塊が生じる。これら軟骨のうち、①②は主に神経堤由来細胞から、③は第一頸部体節椎体由来の細胞から発生する。その後、各軟骨塊は互いに融合して一塊の軟骨板となり大後頭孔から眼窩鼻腔まで拡がりつつ、脳を下方から支持するようになる。やがて軟骨板に複数の骨化中心が独立して出現し、次第に骨組織に置換されていくが、それぞれの骨組織の間には軟骨組織が残存した軟骨結合が見られる。

ヒトでもマウスでも軟骨結合は基本的に、増殖軟骨細胞層、前肥大軟骨細胞層、及び肥大軟骨細胞層から構成さてる鏡像対象的な2つの成長板が中央部の静止軟骨細胞層を介して存在する。この軟骨結合は、蝶形篩骨軟骨結合、蝶形骨間軟膜結合、蝶形後頭軟膜結合および後頭骨間軟膜結合として存在し、それぞれが骨への成長を司るが、軟膜結合の骨化時期はそれぞれ部位特異性であり、例えばヒトの場合、蝶形骨間軟骨結合は生後まもなく骨に置換されるが、蝶形後頭軟骨結合は10歳後半まで存在し、頭蓋底の前後方向に沿った成長時期に関与する。
一方、頭蓋底の前方は顔面中央部と連続しているために、その形成並びに機能不全は顔面骨格の成長に大きな影響を与える。


軟骨性骨原基は既に出現している脳神経や主要血管の周囲に位置し、軟骨性骨形成を行われる⇨脳神経、血管は孔を通して頭蓋外へ通じる

魚類、両生類、爬虫類は生存している限り頭蓋の成長は続くが、哺乳類では性成熟の時期に終了する

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