後頭蓋窩とは、頭蓋内空間の一部分を指し、大後頭孔から小脳テントまでの部分をいう。頭蓋の中では、最も下方に位置する窩で、小脳、延髄、橋を含んでいる。小児では、脳腫瘍や奇形が後頭蓋窩に起こることが多く、小児脳神経外科医にとっては重要な部位といえる。
鑑別すべき腫瘤性病変
成人
単一病変
1.経験則として、成人後頭蓋窩に発生する充実性病変の鑑別診断は、他の診断が確定するまで第一の鑑別として転移性腫瘍、第二に転移性腫瘍、第三に転移性腫瘍である。
2.血管芽腫:成人後頭蓋窩に発生する原発性髄内腫瘍では最大の頻度を示す(後頭蓋窩脳腫瘍の7-12%)。
3.毛様細胞性星細胞腫:充実性あるいはのう胞性で、若年成人に多い傾向がある。
4.脳幹神経膠腫:成人では比較的まれ。
5.膿瘍
6.海綿状血管腫
7.出血
8.梗塞
複数病変
1.転移性腫瘍
2.血管芽腫
3.膿瘍
4.海綿状血管腫
小児
4種類の腫瘍が18歳以下のテント下脳腫瘍の95%を占める。上位3種の発生頻度は同じ。
1.PNET(髄芽腫を含む)27%:多くの場合第4脳室屋根から発生、ほとんどが充実性。
2.小脳星細胞腫 27%:小脳半球から発生。
3.脳幹神経膠腫 28%:
4.上衣腫
5.脈絡叢乳頭腫
6.転移性腫瘍:神経芽腫、横紋筋肉腫、Wilms腫瘍
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