神経板誘導(GA3wはじめ)
神経管が出来る過程を神経管形成(neurulation)といい、胎生第4週に完成。
中枢神経系は、胎生第3週(day18)に原始窩の前方、正中背側に神経板ができることにより発生が始まる。脊索(←中胚葉性)の誘導によって胚性外胚葉が肥厚して神経外胚葉となる(神経誘導)。この厚い板状の外胚葉を神経板といい、神経板は最初単層神経上皮細胞で構成されるが、神経管が形成される頃には多層となっていく。
神経誘導に部位特異性を与える分子機構
外胚葉を表皮に分化させるBMP4が原始結節、脊索のノギン、コルジン、フォリスタチンによって不活性化される
この神経板は正中部が陥凹して神経溝となり、その両側の部分は隆起して神経ヒダとなる。神経ヒダは特にその頭側で大きくなっている。神経溝は外側壁が中央で癒合して神経管となり、残りの胚性外胚葉から分かれる。残りの胚性外胚葉は体表外胚葉になる。
脊索による神経誘導が行われない場所ではBMP4の働きによって表皮に分化する。
脊索と神経板の長さは、はじめ一致しているが脊索が脊索前板を超えて伸長できないのに対し、神経板はそれが可能であるため、神経板は脊索を超えて頭側に広がる。
神経板はやがて吻側が脳管となり、最終的には脳となる。尾側は脊髄管となって最終的に脊髄となる。
脊索は脊髄管全長と脳管後半の腹側に位置する。脳管は前半部が終脳と間脳となり、後半部が中脳と菱脳が分化する。
神経ヒダ
神経板の左右外側壁の細胞分裂は特に盛んで、神経ヒダと呼ばれる。
神経板の正中部は次第に凹み、神経溝と呼ばれるようになる。
胎生第4週(day22頃)、左右の神経ヒダが癒合し、神経管が形成される。この神経管が出来る過程を神経管形成(neurulation)という。
神経ヒダの癒合は、将来の脳と脊髄との移行部付近(神経溝全体の中央)から始まり、頭側、尾側に向かって進む。⇔ 第4体節域から始まる
神経管閉鎖は胎生第3~4週、第4~7体節レベルから始まり、頭側、尾側へ進行する。
神経管形成
GA4w(day22ころ)左右の神経ヒダが癒合し、神経管が形成される ←神経管形成
神経ヒダの癒合は第4体節域(将来の脳脊髄移行部)で始まる
神経管閉鎖は胎生第3~4週、第4~7体節レベルから始まり、頭側、尾側へ進行する。
神経管の頭側、尾側は開いたままであり、前神経孔(anterior neuropore),後神経孔(posterior neuropore)と呼ばれる
形成初期の神経管腔は前神経孔と後神経孔で羊膜腔に開口する
GA4wまでに閉鎖する
前神経孔閉鎖:胎生25日(23~26)
後神経孔閉鎖:胎生27日(26~30)
神経管閉鎖により、神経管は閉鎖性の環状構造物となる
☞神経管閉鎖不全により生じる中枢神経系奇形を神経管閉鎖不全症(dysraphism)と総称される
前神経孔が閉鎖し、将来的に終板(lamina terminalis)にな
終板は間脳蓋板から視交叉まで
終板は左右の大脳半球を連絡する ☞交連線維の通路
終板は透明中隔も形成
後神経孔の閉鎖は頭側から尾側へ進み、第2仙椎の高さ(31番目の体節の高さ)で終わる ☞後神経孔は将来の第2仙椎に一致する
神経管:分裂の盛んな多列円柱の神経上皮細胞(神経外胚葉細胞)からなり、のちに3層に分化する
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